デジタルギフトカード（Amazonギフトカード・Appleギフトカード等）の税金｜所得税・贈与税・一時所得について完全ガイド

最終更新日：2024年2月8日
【Amazonギフト券・Appleギフト券の消費税完全ガイド｜課税・非課税の仕組みを徹底解説】に続き、税金に関する記事です。

AmazonギフトカードやAppleギフトカード、Google Playカードなど、デジタルギフトカードは今やオンラインでの支払い手段として広く利用されていますが、その受け取りや利用に際して、税金がかかる場合があります。特に贈与税や所得税など、税務上の取り扱いが不明瞭なことが多いため、しっかりと理解しておくことが重要です。

本記事では、デジタルギフトカードに関する税金の基本的な取り扱いから、確定申告や具体的な事例について詳しく解説します。

1. デジタルギフトカードの税金はどうなる？

デジタルギフトカードは、オンラインでの支払い手段として広く利用されていますが、その受け取りや利用には税金がかかる場合があります。贈与、報酬、懸賞など、取得の状況によって税務上の取り扱いが異なるため、注意が必要です。

贈与の場合

デジタルギフトカードを贈与として受け取った場合、贈与税が課税される可能性があります。贈与税は、1年間（1月1日～12月31日）に贈与された財産の合計額が110万円（暦年贈与の場合）を超えると課税されます。複数の人からギフトカードを受け取った場合でも、1年間の合計額が110万円を超えなければ贈与税はかかりません。

ただし、**贈与税には暦年贈与と相続時精算課税制度の2種類があり、**相続時精算課税制度を選択した場合は、贈与税の取り扱いが異なります。暦年贈与を選択した場合の基礎控除額は年間110万円ですが、相続時精算課税制度を選択した場合は、生涯で2,500万円まで贈与税がかかりません。

贈与税率は、贈与者との関係性や贈与額によって異なります。
具体的な税率は、国税庁のウェブサイトでご確認ください。

• 国税庁：贈与税の税率と計算方法：https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/zoyo/keisan.htm

どちらの制度を選択すべきかは、贈与する金額や家族構成、将来の相続などを考慮して判断する必要があります。税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

報酬の場合

デジタルギフトカードを報酬として受け取った場合、所得税が課税されます。これは、アフィリエイト報酬やアルバイト報酬など、サービスの対価としてギフトカードを受け取る場合です。給与所得以外の所得（事業所得、不動産所得、一時所得など）が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要です。給与所得がある場合は、所得金額やその他の条件によって確定申告が必要となる場合があります。

懸賞の場合

懸賞やコンテストで当選してギフトカードを受け取った場合、一時所得として税金がかかります。一時所得は、(収入金額 – 50万円) × 1/2 で計算されます。一時所得が年間50万円を超える場合は、確定申告が必要です。

2. 贈与税がかからない金額は？｜年間110万円の枠を超えるとどうなる

贈与税は、デジタルギフトカードを贈与として受け取った場合に適用されます。暦年贈与の場合、年間110万円の基礎控除額があり、これを超えた部分に対して贈与税が課税されます。

非課税枠と贈与税の計算

贈与税の計算は、1年間の贈与額が110万円を超えた部分に、贈与税率を乗じて計算します。贈与税率は、贈与者との関係性や贈与額によって異なります。

事例：贈与税の計算

• Aさんから50万円分、Bさんから70万円分のギフトカードをもらった場合、1年間の贈与額は120万円となります。110万円の基礎控除額を超える10万円に対して、贈与税が課税されます。

3. 報酬としてデジタルギフトカードを受け取る場合

報酬としてデジタルギフトカードを受け取る場合、現金と同じ扱いになります。たとえば、Amazonアソシエイトやブログのアフィリエイト、ポイントサイトの報酬などです。この場合、所得税がかかり、収入金額に応じて税額が決まります。

所得税の適用

報酬としてギフトカードを受け取った場合、その金額に対して所得税が課せられます。収入金額が年間20万円を超えると、確定申告を行う義務があります。これには、給与所得以外の副収入（アルバイト、アフィリエイト収入など）が含まれます。

事例：アフィリエイト報酬として受け取る

例えば、ブログでアフィリエイト広告を掲載し、Amazonギフトカードで報酬を受け取った場合、その報酬金額が20万円を超えると、確定申告を行う必要があります。

4. 懸賞でデジタルギフトカードを受け取った場合

懸賞や抽選で当選した場合、一時所得として税金が適用されます。一時所得は、ギフトカードを懸賞で受け取った場合に該当しますが、年間50万円を超えない限り、税金はかかりません。

一時所得の取り扱い

• 50万円以下であれば、税金はかかりません。
• 50万円を超える場合、超過した部分に対して税金がかかります。確定申告が必要になるので注意しましょう。

事例：懸賞で当選した場合

例えば、ある懸賞で10万円分のギフトカードを当選した場合、それは一時所得として扱われ、50万円未満であれば税金はかかりません。

5. 自分がデジタルギフトカードを渡す場合の税金

自分がデジタルギフトカードを他人に渡す場合、その理由によって税金が変わります。

プレゼントとして渡す場合

贈与として渡す場合は、受け取った人に贈与税がかかります。ただし、年間110万円以内であれば、贈与税はかかりません。

対価として渡す場合

たとえば、業務の一環として外部の業者や従業員に対価としてギフトカードを渡す場合は、支払った側に経費として処理することができます。この場合、法人税の対象となり、源泉徴収を行う必要があります。

6. デジタルギフトカードに関連する税法の背景

デジタルギフトカードに関する税法は、現金や物品と同様に、金銭的価値を持つものとして扱われます。日本の税法における「物品の贈与」や「報酬」の定義は広範であり、ギフトカードの取り扱いについては税務署のガイドラインに従って理解することが重要です。

7. デジタルギフトカードの税金：種類別の取り扱い

デジタルギフトカードにはさまざまな種類があります。それぞれのギフトカードに対して、税法の適用方法が異なります。

• Amazonギフトカード：報酬として受け取った場合、所得税の対象です。
• Google Playカード：アフィリエイト報酬として受け取る場合、所得税の対象です。
• iTunesカード：懸賞や報酬として受け取る場合、所得税または一時所得の対象です。

8. ギフトカードを複数回に分けて受け取る場合の税金

デジタルギフトカードを複数回に分けて受け取る場合、その金額の合計が年間110万円を超えなければ贈与税はかかりませんが、複数回に分けて受け取ることで税金が逃れられるわけではありません。税務署は、このようなケースを注意深く監視しており、意図的に分けて受け取っている場合には調査対象となる可能性があります。

具体的な事例

例えば、Aさんから毎月1万円分、Bさんから毎月1万円分のギフトカードを受け取った場合、月々の受け取り金額は110万円の枠を超えません。しかし、年末に合計金額が確認され、年間で120万円を超えていれば、超過分に対して贈与税が課税されます。

税務署は複数回に分けて受け取ることを贈与税逃れとみなすことがあるため、注意が必要です。

9. 税務署が実施している調査や取り締まり事例

近年、デジタルギフトカードに関する税務調査が強化されています。特に副収入や懸賞によるギフトカード受け取りについては、税務署が徹底的に取り締まりを行っています。

調査の対象となるケース

• 確定申告をしていないが高額なギフトカードを受け取っている人。
• 継続的に複数のギフトカードを受け取っている場合（特に高額）。
• 懸賞で高額なギフトカードを受け取った場合、特に金額が50万円を超えた場合。

実際の取り締まり事例

例えば、あるインフルエンサーが数千万円のギフトカードをアフィリエイト報酬として受け取った際、税務署から確定申告を指示されたケースがあります。このような場合、過少申告や申告漏れが見つかると、追徴課税が行われる可能性があります。

10. 確定申告書の記入方法と注意点

ギフトカードを報酬として受け取った場合、確定申告が必要です。特に報酬額が年間20万円を超える場合は、確定申告が義務付けられています。確定申告書を正しく記入しないと、税務署からの指摘や追徴課税を受けることがあります。

確定申告書の記入方法

1. 収入金額を記入：デジタルギフトカードで受け取った報酬金額を「収入金額」の欄に記入します。
2. 経費の計上：アフィリエイト収入など、事業に関連する経費があれば、それを差し引いて「所得」を算出します。
3. 申告書を提出：税務署に提出する際は、期日を守ることが大切です。提出期限を過ぎると、延滞税が発生する可能性があります。

注意点

• 副収入として得たギフトカードも全額報告が必要です。場合によっては、経費の領収書なども求められることがあります。
• 申告漏れがあった場合、税務調査が入る可能性が高く、後日追加で税金を支払うことになります。

11. 他の国におけるデジタルギフトカードの税金

日本だけでなく、他の国でもデジタルギフトカードに対する税金の取り扱いが異なります。以下は、アメリカやイギリスにおける取り扱いの一例です。

アメリカ

アメリカでは、ギフトカードを報酬として受け取った場合、それは所得税の対象となります。特に、アフィリエイトやネットオークション、コンテストなどで得たギフトカードについては、税務署に報告し、必要に応じて確定申告を行うことが求められます。

イギリス

イギリスでは、ギフトカードが贈与として受け取られる場合には、一定額を超えると贈与税がかかります。特に親から子への贈与の場合、ギフトカードもその対象となり、税金がかかることがあります。

日本と異なる税法が適用されるため、海外のギフトカードに関連した税金も把握しておくことが重要です。

12. 税金対策と専門家への相談方法

税金に関するルールは非常に複雑であるため、適切な税務対策を講じることが重要です。税理士に相談することで、合法的に税負担を軽減できる場合もあります。

税金対策

• ギフトカードの受け取り方法を選ぶ：報酬として受け取る場合は、受け取るタイミングや方法を考慮し、税務上の影響を最小限に抑えることができます。
• 経費の計上：アフィリエイト収入や報酬収入に関連する経費をしっかりと計上しましょう。これにより、所得税の額を減らすことができます。

税理士への相談方法

税理士に相談する際は、収入の源泉やギフトカードの使用目的について詳細に説明することが大切です。また、税理士の選定も慎重に行い、信頼できる専門家を選びましょう。

13. デジタルギフトカードと税金のよくある質問（FAQ）

Q1: デジタルギフトカードをプレゼントで受け取った場合、贈与税がかかりますか？

• A1: 年間110万円以下であれば贈与税はかかりません。それを超える場合、超過分に贈与税がかかります。

Q2: Amazonギフトカードを報酬として受け取った場合、確定申告は必要ですか？

• A2: 収入が年間20万円を超える場合、確定申告が必要です。確定申告をしない場合、追加で税金を支払うことになります。

Q3: 懸賞で受け取ったギフトカードに税金がかかりますか？

• A3: 懸賞で受け取ったギフトカードが年間50万円を超える場合、確定申告が必要です。50万円以下であれば税金はかかりません。

まとめ

デジタルギフトカードを受け取る場合、その用途に応じて税金の取り扱いが異なります。贈与税、所得税、一時所得などの知識をしっかりと理解し、必要に応じて確定申告を行うことが重要です。また、税務署の調査が増加しているため、誤って申告漏れをしないように注意しましょう。税金に関する疑問や不安がある場合は、税理士に相談することをおすすめします。

参考リンク

• 国税庁：
  https://www.nta.go.jp/
  → 日本の税法に関する最も信頼性の高い情報源。贈与税や所得税の取り扱いに関する公式なガイドラインがあります。
• 税務署（国税庁の一部）：
  https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4102.htm
  → 贈与税に関する詳細な情報を提供するページ。贈与税の免税範囲や贈与に関する定義について記載されています。
• 日本税理士会連合会：
  https://www.nichizeiren.or.jp/
  → 税理士による公式な情報提供サイト。税理士が執筆した信頼性の高い記事や、税務相談に関する情報があります。
• 総務省（税制に関する法令・通知）：
  https://www.soumu.go.jp/main_content/000524189.pdf
  → 贈与税や所得税に関連する法令について、総務省が発行した公的な文書。
• 東京都税務署：
  https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/
  → 東京都の税務署による税務に関する公式な情報源。税法や税金に関する実務的な解説があります。
• 日本公認会計士協会（JICPA）：
  https://jicpa.or.jp/
  → 会計士としての視点から税務に関する正確な情報を提供しているサイト。税務の専門家による解説が豊富です。
• e-Tax（国税電子申告・納税システム）：
  https://www.e-tax.nta.go.jp/
  → 確定申告をはじめとする税務申告の電子申請に関する公式サイト。申告方法についての詳細なガイドが掲載されています。
• 金融庁：
  https://www.fsa.go.jp/
  → 金融に関連する法規や税務情報を提供している政府機関の公式サイト。